Monday, December 20, 2010

イスラム教:預言者ムハンマド 「3」

神の教えを人々に伝えるムハンマドの安全性がさらに悪化。

ある日、礼拝中のムハンマドは背後から襲われ、大きな袋を首にかぶせられた。それはラクダの胃袋で、中には動物の血と糞がつまっていた。彼はたちまち呼吸困難におち入り、血と糞土(ふんど)にまみれて悶絶した。もし急を知って彼の娘の一人が駆けつけなければ、彼はそのまま命を落としていたであろう。クライシュ族だけではなく、ユダヤ部族もムハンマドを憎悪した。

あるユダヤの魔法使いの老婆は、紐を環に結んで、呪いの息を吹きかけては、ムハンマドの死を願った。それでも効果がないと見るや、井戸水の中に毒を投じて暗殺を図った。

彼は激しい腹痛にたおれ、回復後も死ぬまでその持病に悩まされました。捕まえられた妖婆は薄眼を開けて言った。

「その男は本当に予言者かね。そうだとしたら毒の入った井戸水ぐらい見分けがついたはずぢゃよ。イッヒッヒ……」

ムハンマドがなかなか死なないことに業を煮やしたクライシュ族は、ついに暗殺隊をくりだします。間一髪、ムハンマドは丘陵地にのがれて、狭い洞穴に身をひそめる。追手は穴の入口を一つ一つ吟味して迫ったが、兵士の一人は、人口に張られた古そうな蜘蛛(くも)の巣を見て仲間に言った。

「おい見ろよ、このクモの巣をどうやら人間の入った気配はないぜ」。

こうして追手の足音はようやく遠のきました。その昔石橋山の合戦に敗れた源頼朝(みなもとのよりとも)が、大きな樹のうろに身をかくした時、1匹のクモが穴の入口に巣を張って彼の命を救ったという、日本の故事にも似たエピソードである。

続く。
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